NAP REPORT 導入事例
旭化成ケミカルズ株式会社
基礎化学品事業部 石化原料業務部
課長 雑賀 泰志 様
ーNAP REPORTを活用する以前の課題
社内で私はナフサを担当しているのですが、誘導品を扱うお客様の一番の関心事は、国産ナフサ価格が、来期どんな数字なのかというところです。我々の出した予測値がお客様に影響を与えるため、どのようにその値を示していくかということが課題でした。
ーNAP REPORTを活用して
私たちが出した予測値というのは、恣意性が入っているのではないかとお客様に思われてしまうのですが、アメレックスさんのNAPレポートを用いることで、第三者による予測値として伝える事ができるようになり、今まで以上に信頼性をもって数字を示すことができるようになったことが非常に大きいです。また、ポリエチレン等の情報も得られ、情報がコンパクトにまとまっているので、私たちにとってはとても大きな情報源になっていてありがたいです。
ーNAP REPORTの予測値について
国産ナフサ価格は、エンドユーザーやナフサを買っている人の平均価格になるため、自社の価格はいくらで売買されているかはわかりますが、他社の価格というのは全くわかりません。そんな中で、アメレックスさんは独自にお客様と取引をしているので、他社の情報や状況を把握し、予測値を割り出しているというところで、我々が自社で作るよりもはるかに信憑性の高い予測値になっていると実感しています。
我々も基本的には同じ計算式の中で予測値を作ろうとしていますが、それを専門で行っているアメレックスさんの場合は、マーケットの動向なども見ながら数字を割り出すため、実際に結果を見ても、我々が割り出すよりも正確な予想値ができているので非常にありがたいと思っています。
ーNAP REPORTを活かした今後の展開
今後この国際ナフサ価格というのは、誘導品のお客様、また、その下のお客様達が価格フォーミュラとして使うケースが増えつつあります。そんな中で第三者機関であるアメレックスさんの数字を是非、活用して頂いて、予測値の一つとして使って頂ければ、我々が出した予測値よりも客観的な立場で数字を捉えることができるので、非常に活用の価値があると思います。ただ、今、あまり知られていないと言うことが非常に残念だとおもいます。特に最近、海外のお客様も国産ナフサ価格を使ってフォーミュラを組むケースが増えていますので、これを使っていただけるようアピールしていけたらと思います。
アメレックスが正確な予想値を導ける理由
ーまずナフサ価格とその問題点について
プラスチック・塗料・合成ゴムなど、石油化学製品の多くは、四半期毎ごとに発表される国産ナフサ価格に連動しています。そのために、価格の決定は実際の取引よりも随分後になります。つまり価格がわからない状態で取引がおこなわれています。それが石油化学製品取引の特徴です。
具体的なところでは、2014年の後半、原油価格が大幅に下落しました。10月の原油価格は6月に比べ20%以上も下落しました。当然、皆様は仕入れ先に値下げの交渉をされたと思います。しかし、10月のナフサ価格がどの程度下がるかがわからなかったために仕入れ先の方に、値下げを断られたと思います。
実際の原油価格の変動幅は、近年とても大きくなっています。 イスラム国の台頭による紛争の影響やシェールオイルの増産、新しい資源開発など原油マーケットに大きな影響を与える要因があります。当然、石油化学製品の仕入れコストや販売価格に大きな影響を与えます。そういった環境の中、国産ナフサ価格の決定が遅いという業界のシステムはみなさんのリスクを高める事になっています。
ーNAP REPORTについて
そこで私たちは、リスクを少なくするために国産ナフサ価格の正確な予想値を出しています。
■ 毎朝配信する「Dailyレポート」はナフサと
石油化学製品の情報を提供しています。
■ 「Weeklyレポート」は毎週月曜日の朝に、先週1週間の
ナフサや石油化学製品の情報をまとめて提供しています。
■ 「Monthlyレポート」は国産ナフサ価格の予想値だけでなく
国内外のポリオレフィンの市況情報も提供しています。
ーアメレックスが正確な予想値を導ける理由。
なぜ私たちがこのようなレポートを提供できるかというと、20年以上もの間、ナフサの輸入取引に携わってきたからです。国産ナフサ価格は輸入価格に連動しています。実際に、輸入取引に携わることで、正確な予想ができるのです。 また、それに加え、輸入を行っている主な12社とすべて付き合いがあります。それぞれの会社の特長を踏まえ、購買パターンを把握しています。それによって、正確に国産ナフサ価格を予想し、多くのお客様に高く評価されています。
ーNAP REPORTのご活用方法について
取引の数ヶ月後にならないと確定しない原料や製品価格。これが、いち早く正確に予測できれば戦略的に使うことができます。 例えば、予想価格が上がることが分かっていれば、原料の購入を増やし、製品の販売を減らすことで利益につなげることができます。また、戦略的なこと以外でも、仮価格の設定や、予算の作成に使用しているお客様もいらっしゃいます。
ーアメレックスが目指していること
日本の企業は品質の良い製品の製造・販売に力を入れ世界的にも大変評価されています。 しかし、一方で、原料の購入においてはそれほど力を入れていないように見えます。それに対しグローバル企業はマーケットリスクをコントロールし、そのノウハウを蓄積しています。同様に、日本の企業もリスクのコントロールに力を入れてノウハウを持てば、世界的に評価が上がることは確実です。 そのために、私たちのレポートが少しでも貢献できればと思っています。